『男たちへ』塩野七生 1989年 文芸春秋


<フツウの男をフツウでない男にする54章>という、魅力的な副題がついているエッセー集です。
カフリンクスが登場するのは、「イタリア男、イギリス男に圧倒される巻」。

イタリアで行われたイタリア人・イギリス人カップルの結婚式。そこに集まったイタリア、イギリス両国の男性ゲストたちの正装を、日本人女性の著者が冷静に観察・比較しています。

イタリア人男性といえば、世界一のお洒落さん。派手な色彩もなんなくこなす洒落男のイメージがありませんか?

しかし、このエッセーでは、結婚式の正装に限っていえば、イタリア人よりイギリス人のほうがずっと派手!と書かれています。イタリア男がモノトーンの地味な装いなのに対し、イギリス男は、老いも若きも大胆な柄・色彩のネクタイできめている。どちらがお洒落かといえば、イギリス男に軍配が上がるそうです。

この違いはどこからくるのか? 
これはやはり、イギリスが紳士服の本家本元だからではないか、と著者は考察しています。着物を着こなしている日本人が半襟の色や刺繍に凝るように、基本を押さえたうえで遊び心を発揮する余裕があるというのです。

その遊び心はカフリンクスにも発揮されます。
著者がイギリス人男性の大胆なカフリンクスを褒めたところ、そのカフリンクス、実は女性用のイヤリングであったとか。「イタリアでカフリンクスを買おうとしたけど、真っ当なものしかなくてね」だそうです。

イタリア人、そして日本人男性の正装のお洒落。
このエッセーが書かれてから17年たった今、イギリス男と対決したら如何なる結果となりますでしょうか?

▼カフショップのカフリンクスをご覧になって、「イヤリングかと思った!」と、残念そうにされる女性のお客様もいらっしゃいます。
申し訳ございません(^^;)
 ヴィンテージ red





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