ヴィンテージ・カフリンクスの世界

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虹色に輝くクリスタル・ガラスが嵌め込まれたカフリンクス。
アメリカの紳士装飾品メーカー、HICKOK(ヒコック)の製品です。

クリスタルの台座の幅は約25mm、ベルト幅が20mm。
最近のカフリンクスと比べると、かなり大ぶりなサイズだと思います。

クリスタルの台座は型物で、基本的にその原型は手作りなのですが、
よくよく見ると、ベースのラインが四辺それぞれ歪んでいたり、角が形がバラバラだったり。
かなり大雑把というか、適当というか、強力に手作り感を打ち出しています。

さらに、歳月ともに、ところどころメッキが剥離して、ゴツゴツが強調され、より無骨な感じになったのでしょう。

大胆で荒々しい造りが珍しく、良い味を出している魅力的なヴィンテージ・カフリンクスです。

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カフリンクス(カフスボタン)専門店カフショップ

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チェーン(chain 鎖)をモチーフとしたメタリックなワードローブ。
カフリンクスは、wrap-around cuff links と表記されており、袖のボタンホールにスナップボタンを差し込んで閉じあわせ、チェーンを袖に巻きつけるタイプです。
カフリンクスの他、タイ・クリップ(ネクタイピン)、キー・チェーン、ベルトもあります。

50〜60年代の雑誌広告では、写真ではなく、イラストが使われていることが多いのですが、印刷や紙質のせいか、金属の色や光沢感が分かりづらいです。
画だけ見ると、銀色・金色とも、渋い色味の艶消し仕上げのようにも見えますが、多分、実物はピッカピカ・キラキラなのだと思います。
カフリンクスについては、留め具の構造、袖につけた様子をコンパクトに表現していて、とても分かりやすい!
この辺りはイラストの良いところですね。

半世紀以上前の製品ですが、シンプルで、現在でも魅力的に感じるデザインではないでしょうか?
広告のタイトルは『 The links-chain wardrobe 』
ひとつのアイテムだけではなく、つい同じカラー、デザインで全アイテムを揃えたくなるような、購買意欲を大いに刺激する広告です。

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チェーンは、カフリンクスの人気モチーフで、過去から現在まで、様々なタイプの物を見ることができます。
チェーンを主役に、あるいは、光る脇役的に使ったカフリンクスを見て参りましょう。

左) 派手なファイスが昔風。回転式足でベルトを留めるタイプ。
右) Jの形で、袖の下を組み込むタイプ。
※カフショップ・ヴィンテージ参考品

ヴィンテージ/ロール・カフスヴィンテージ/Jカフス










下) 「クリスタル・ベルト」 ベルトが取り外しできるタイプ。
※カフショップ・オリジナル商品 

オリジナル/クリスタル・ベルト・カフス







左) 「ウエーブ」 時計によく見るられる金属ベルトを切り取ったようなデザイン。
右) 「シルバー/クラブ」 クラブ(蟹のツメ)型チェーンがモチーフ。
※カフショップ・セレクト商品

セレクト/ウエーブセレクト/シルバー/クラブ










左) 「手錠」 装着すると微か揺れるチェーンがアクセントに。
右) 「碇・チェーン」 碇に巻きつけたり、袖に巻いたりと、表情が変えらます。
※カフショップ・セレクト商品

セレクト/手錠セレクト/碇チェーン付










★カフリンクス専門店カフショップ

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ゴルフ、ハンティング、フィッシング、ポロ。
紳士の嗜みともされる各種スポーツをモチーフとしたカフリンクスとタイバーです。

白蝶貝と金色、黒蝶貝と銀色のコントラストがエレガントな雰囲気を醸し出しています。

タイバーは、スマートな用具をそのままミニチュア化した造形。
カフリンクスは、輝きを放つ蝶貝のパネルを背景に、用具コレクションを誇らしげに飾る額の趣きです。

スポーツは用具がとても大事。
愛用の道具は、自分の分身のように感じることもあります。
各スポーツの用具を、細部まで丁寧に作りこんだカフリンクスとタイバーは、それぞれのスポーツに対する強い思い入れ、あふれる愛情を表現した小さなオブジェだと思います。

★カフリンクス(カフスボタン)専門店カフショップ

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1958年のスワンク雑誌広告です。

誕生石をあしらったカフリンクス&タイバー。
金色の流線の用いたカフスとタイバー、そしてパッケージは、当時流行した近未来をイメージさせるデザイン。
現在からみれば、レトロ・フューチャー・デザインとも呼ぶことができます。

12種類の誕生石は、それぞれ天然石の色を模したガラスです。
輸入品の上質なクリスタル・ガラスと記されています。

誕生石のラインナップは・・・

1月 ガーネット
2月 アメジスト
3月 アクアマリン
4月 クリスタル
5月 エメラルド
6月 アレクサンドライト
7月 ルビー
8月 ペリドット
9月 サファイヤ
10月 ローズ(ローズクォーツ)
11月 トパーズ
12月 ブルー・ジルコン

あれれ??!

6月はパール(真珠)では?
12月はターコイズ(トルコ石)じゃないの?

などと、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

誕生石は、1912年にアメリカの宝石業界が誕生月にちなむ宝石を定めたのが始まりとされています。その後、誕生石は世界中に広まり、各国でも誕生石の宝石種が定められるようになりました。

上記のラインナップは、アメリカの宝石業界が定めた種類とも少々異なっています。
クリスタル・ガラスの美しさを生かすべく、透明石で誕生石を統一した
SWANK独自の誕生石と言えそうです。

カフリンクス(カフスボタン)専門店 カフショップ

富士の扇カフボタン1富士山の扇カフリンクス3







お客様が所蔵されているヴィンテージ・カフリンクスです。

扇子のシルエットにカットしたシルバーに、扇子の骨、要(かなめ)、扇面を手彫りで表し、扇面に富士山と麓の民家の風景をこれも手彫りで描いています。

くすんだ銀色のなかに、彫刻の線が金色に光って、実に味わい深い風合いとなっています。

富士は日本一の山。
富士山は、日本の最高峰であるともに、その美しさから古より日本人に愛され、信仰の対象、多くの美術工芸品のモチーフとなってきました。日本を代表する山であり、日本のシンボルといえる存在でありましょう。

扇子は日本の発明品。
恥ずかしながら、私は最近、『「縮み」志向の日本人』という著書を読んで初めて知りました。
(『「縮み」志向の日本人』←タイトルだけ見て日本バッシング本かと誤解しそうになりましたが、日本文化の特長を分析した素晴らしい本でした)

風を送るウチワが大陸から日本に輸入されたのは7世紀ごろ。それを折りたためるように8世紀ごろ日本で工夫されたのが扇子なのでそうです。物をコンパクトにして実用性と付加価値を高める発明は、現代でも日本人の得意とするところですね。

日本の美しい自然、日本の技と智慧。
小さなカフリンクスのなかに、様々な日本の“良きもの”を見ることができます。



カフショップのヴィンテージ・カフリンクス

まだまだ続く世界一周カフリンクスの旅。
ここからは東洋、アジアをめぐります。


日本/七宝カフスまずは日本から七宝のカフリンクス。日本の有線七宝は、西洋のエナメルとはまた異なる魅力、独特な趣きがあります。モチーフは獅子のようです。







香港/カフス獅子の次は虎。サンダルウッド(白檀)の彫刻カフリンクスは香港から。サンダルウッドはインド、インドシナなどの一部の地域を産地とする希少な香木。特に工芸用の材は産出国で輸出が制限されていますので、現在、このようなカフリンクスを日本で作るのは難しいのです。




東洋/ブラックアイボリー彫刻カフス
手彫りの黒い馬のカフリンクス。素材は、おそらくブラック・ホーン(黒水牛の角)なのではないかと思います。







東洋4/カフス手彫り象牙の鷲のカフリンクス。象牙は、古来より工芸品の素材として珍重されてきました。日本で作られた象牙の根付(ねつけ)は、その芸術性が高く評価され、国内外に熱心なコレクターが存在します。使い込むほどに飴色に変わっていくのも象牙の魅力のひとつ。写真のカフスも現存すれば、50年近い時を経て風格が出ているかもしれません。



東洋2/カフス2本の竹を組み合わせたカフリンクス。竹は、日本、アジアの各地で古くから様々な品に加工されてきました。丈夫な節の部分は、今も服のボタン、日用品の留具として利用されています。写真のカフスは、金属爪がアクセントとなって、素朴な力強さのなかにも洗練された雰囲気があると思います。





東洋1/カフスボタン東洋3/カフスボタン2点とも翡翠(ひすい)細工のカフリンクス。翡翠の緑と金色のコントラストが綺麗です。中国では古くから翡翠で宝飾品や器などが作られ、現代でも翡翠の工芸品は中国特産品となっています。


5珊瑚カフス養殖真珠と珊瑚を埋め込んだカフリンクス。黒色のベースに真珠、珊瑚の自然の形、色が映えて、美しい絵画のようです。
ここまでご紹介してきたカフリンクスには、それぞれ商品の説明文に“from Japan”、“from orient”等、国や地域の名前があるのですが、このカフリンクスにはそれがありません。特定の国、地域を越えて・・・・海、地球からの贈り物ということでしょうか。


★カフショップのヴィンテージ・カフリンクス

Arts of the WORLD 1962 SWANK




















1962年のスワンクの雑誌広告。
“スワンクは毎年、刺激的で新しいメンズ・ジュエリーのアイディアを貴方に届けるため地球を駆けめぐります”

世界各国、西洋・東洋の様々な美術工芸技法、特産物、モチーフなどが活かされたカフリンクス・コレクションです。


それでは皆様、カフリンクス世界旅行に出発いたします♪ 

6エナメル・カフス/フランスフランス/カフスまずはフランスから。フランスの伝統的な工芸手法−ペイント・エナメルのカフリンクス。
そして、丸型のフレームを弓に見立てたステンド・グラス製のカフリンクスです。

フランス/真珠貝彫刻カフス
こちらもフランス。はばたく鳥の真珠貝のカフリンクス。貝殻のもつ丸み、曲線を活かした細工です。









イタリア/磁器カフスイタリア/雪花石彫刻カフス
お次はイタリア。手書きによる絵付け磁器のカフリンクス。馬の頭像はアンバスター(雪花石膏)の彫刻。深みのある青の色合いは染色かもしれません。


イタリア1/カフス9モザイク・カフス/イタリアカタツムリの殻に本物の貝を使ったカフリンクスとガラス・モザイクのカフリンクス。小さな色ガラスを並べて絵柄描くモザイクは、今もイタリア特産品としての人気があります。写真のカフリンクスは抑えた色使いで男性のアクセサリーとして使いやすそうです。

スペイン/象嵌カフス
スペインからは彫金象嵌(ぞうがん)のカフリンクス。ダマスク象嵌など、象嵌細工はスペインの特産品となっています。







デンマーク/カフス
デンマークからは、ロイヤル・コペンハーゲン陶磁器工房の陶磁です。ロイヤル・コペンハーゲンの開窯は1775年。今日も世界を代表する陶磁器工房の一つです。






バイエルン/クリスタル・カフス
こちらはドイツ南東部の州、バイエルンのハンド・カットのクリスタルガラス。バイエルン地方は良質のガラス原料の産地。中世よりガラスが製造されていたそうです。






オーストリア/カフスボタンオールトリアより、鹿のカフリンクス。鹿の角にヘラ鹿の姿を手彫りで表しています。








ブラジル/トパーズ・カフス
ヨーロッパから南米へ。
こちらは、ブラジルより、トパーズのカフリンクス。ブラジルは世界有数の宝石産地であり、トパーズ産地の中心です。





メキシコ/カフス
魚の形(?)のユニークなカフリンクスはメキシコから。銀、銅、真鍮の板を組み合わせたものです。メキシコは、現在も世界の主要な銀産出国で、銀細工が盛んです。








★カフショップのヴィンテージ・カフリンクス 

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先日更新したヴェンテージ・ファイルNo.14は、スワンク(SAWANK)製カフリンクスの特集です。
スワンクは、米国の伝統的なジュエリー・アクセサリーメーカー。
そこで今回はその老舗スワンクをご紹介いたします。


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スワンクの創業は1897年。
サミュエル・M.ストーンとモーリス・J.ベヤーが、女性のために宝石を生産して、
販売するためにアトルバロ・マニュファクチャリング社を設立しました。


1908年に、ベヤーは男性のジュエリーを生産する新しい部門を創設。
新しい部門は、Kum A Partボタンを開発し、それが会社を急成長させる大きな力となりました。
このKum A Partボタンは、カフショップのスナップリンクのようなタイプのカフリンクスです。

第一次世界大戦の頃、アトルバロ・マニュファクチャリング社は、米国軍用に何千個もの金属製の認識票の生産できるくらい大きくなりました。
軍人が首に下げる認識票(氏名や生年月日、性別、血液型などが刻印されている)は、犬の首輪の鑑札になぞらえてドッグタグと呼ばれています。

また、米国政府より多数のピンズ、ボタン、ネクタイ留めなどの生産を請け負うようになり、メンズラインに集中するようになりました。


スワンクという名前が印刷広告に現れ始めたのは1927年。
1936年には、アトルバロ・マニュファクチャリング社は、Swank Products Inc. と改名。その後、会社は、もう一度改名して、Swank Inc.になりました。
第二次世界大戦の始まりにより、米国軍の軍事用品、勲章などの製造が主力となり、個人向けの製品ラインが縮小されました。

第二次世界大戦後、スワンクは、個人向けのジュエリー・アクセサリー製造ラインを復活させ、さらに、財布やベルトなどの革製品、ギフト用品、香水を加え、多角化しました。 1980年代にはレディースのジュエリーラインを再開。「ケネス・コール」、「ジェフリービーン」、「ピエールカルダン」、「ノーティカ」、「GUESS?」等々、様々な有名ブランドのを取り扱うようになりました。現在でも米国におけるメンズ・レディスのジュエリー・アクセサリー、皮製品の主要メーカーのひとつとなっています。

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写真は1960年のスワンクの雑誌広告。
カフリンクス&タイバー、タイクリップのほか、喫煙用品、ブラシ、ベルト、キーホルダー、財布、時計など、幅広いメンズ・アイテムを取り扱っていることが分かります。

★カフリンクス専門店カフショップ

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