読むカフリンクス (小説・エッセー)



『王様の仕立て屋 −サルト・フィニート−』は、現在も連載中のコミックです。

イタリアはナポリの場末・泥棒市で仕立て屋(サルト)を開く日本人・織部悠(おりべ ゆう)が主人公。
「サルト・フィニート」はイタリア語で、「究極の仕立て屋」と訳せるでしょうか。
織部悠は、伝説の仕立て職人マリオ親方の最初で最後の弟子であり、その卓越した技術と感性で、次々と持ち込まれる難しい注文に挑んでいきます。

カフリンクスが登場するのは『order16 箱入り男爵の冒険。

織部悠の相棒であるマルコは、道に転がってきたシルバーのカフリンクスを踏みつけて壊してしまう。そのカフリンクスは、没落した男爵家の執事である老人が落としたもの。老人は、男爵家の家宝であるカフリンクスを金に換えて、大学OB会に出席する若き男爵ため、スーツを新調しようとしていた。男爵家の再興をかけた“勝負服”の仕立てを織部悠(おりべ ゆう)が請け負うことになり・・・

男爵家に伝わるカフリンクスは、彫刻が入ったシルバーの円形プレート2つを鎖でつないだタイプ。
このカフリンクスを手に取った悠(ゆう)は、
「カフリンクスを楽しむのは主にイギリススタイルで、イタリア人はあまりやらない」
「イタリアでこの手のチェーン式は古くからイギリス文化と縁のある貴族階級の持ち物」
と言い当てます。

お金がない若き男爵のために、悠(ゆう)が仕立てたスーツ。
それは、高価ではない生地を使いながら、唯一のアクセサリーであるシルバーのカフリンクスとマッチして、男爵の人となり、内なる魅力をひきだす、最高にエレガントなスーツでした。

それがどのようなスーツであったかは・・・ぜひコミックでご確認ください!


チェーン式カフリンクスチェーン式カフリンクス1








写真はヴィンテージのチェーン式カフリンクス(カフショップ参考品)。
楕円形(ナマコ形)のカフリンクスはイギリス製。パテント名とともに、GOLD ROLLDと製法名の刻印が入っています。
円形のカフリンクスは黒蝶貝を使ったもの。円錐状にカットしてあり、光の当たり方で様々な色に変化して見えます。

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カフリンクス(カフスボタン)専門店カフショップ

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前回に続き、書籍『Cuff Links』より、欧米では“世界で一番有名”とされるカフリンクスについてご紹介させていただきます。

それは、英国のエドワード8世(後のウィンザー公)が恋人のシンプソン夫人から贈られたカフリンクス。
本書には、その写真とエピソードが掲載されています。

1935年、ウォリス・シンプソンは、ロンドンのニューボンド・ストリートのカルティエでペアのカフリンクスを注文した。

そのカフリンクスは、丸いプラチナの台2つを金属で繋ぎ合せた形で、ブリリアント・カットのダイアモンドが台に敷き詰められ、そこに四角くカットしたダイアモンドを、片方にE、もう片方にWと、イニシャルの形に配置したものだった。

そのカフリンクスはスタッドボタンとセットになっており、
「HOLD TIGHT」の文字、そして、シンプソン夫人が恋人の英国皇太子エドワードに贈った日付「7/5/35,」が刻まれていた。

その1年後、エドワード8世はウォリス・シンプソンにヴァンクリーフ・アンド・アーぺルズで作らせたルビーとダイヤのブレスレット贈った。
そして、そこにも「HOLD TIGHT」と刻まれていた。

その言葉は、恋人のために王位の放棄について思い悩んでいる時期のエドワードのフィーリングがよく表現されている。

1936年、英国王エドワード8世は、庶民で離婚暦のある米国人女性 ウォリス・シンプソンと結婚するために国王を退位し英国を去りました。この出来事は当時、『王冠を賭けた恋』として世界中を騒がせたそうです。

シンプソン夫人は、袖口を留め合わせるカフリンクスを、ふたりを結びつける絆と見立てのでしょう。
「HOLD TIGHT」の文字からは、困難な未来を前に、互いの想いを確めあい、支え合おうとする恋人たちの姿が思い浮かびます。

このカフリンクスとスタッズの写真には、1987年のオークションで44万ドルの記録的な高値がついたとのキャプションが添えられています。
世紀の恋を彩ったカフリンクスといえば、納得のお値段ですね。

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本書は、以下のようなプロローグで私たちを『カフ・リンクスの世界』へと誘います。

大概の男性は少なくとも1ペアのカフリンクスはもっている。

父親は自分のカフリンクスを息子に、花婿は結婚式の先導役にカフリンクスを与える。
また、大統領は大使に、会社の社長は顧客、および忠実な側近にカフリンクスを贈る。

どんな男性でもドレッサーの一番上の引き出しをあければ、イニシャル、家紋、軍隊旗、誕生日、会社のロゴマーク、校章などのカフリンクスを見つけることができる。

情熱的なコレクターも存在する。
とりわけ熱心なコレクターであれば、1年以上の間、毎日違ったカフリンクスを身につけられる人もいるだろう。

Fabienne Falluel( Musee de la Mode et du Costume 服飾博物館のキュレーター)によると、カフリンクスは社会で受け入れられる数少ない男性装身具で、腕時計、ベルトのバックル、タイピンと並ぶものだという。

それは機能的であって、凛々しいものとみなされる。


カフリンクスの歴史、デザインの変遷をひもとく本書。
1991年、米国ニュー・ヨークの出版社よりハード・カバーが出版され、1999年、ソフト・カバーが出版されました。

19世紀から近年(1990年)に製作されたカフリンクスまで、美しい写真が満載でパラパラと頁をめくって眺めているだけでも楽しい本です。
カルティエ、ティファニーなど、老舗宝石店が手がけたジュエリーから、プラスチックを活用したポップなものまで、様々なカフリンクス見ることができます。


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宮沢賢治は少年時代、「石ッコ賢さん」と呼ばれるくらい鉱物採集に熱中していたようです。

神田小川町に、賢治が大正7年から8年、22歳頃に通った宝石店があります。
金石舎の創業は明治17年、「日本で最初の宝石店」といわれる宝石店です。
明治17年店舗 









■金石舎の外観(明治17年)

賢治が興味を持っていた(かもしれない)カフスボタンについて、
また宝石、昔のカフスボタンの細工について、何かお話を伺えればと思い、
カフショップから徒歩15分ほどの金石舎を訪ねました。

賢治は当時、日本女子大の学生であった妹トシが病に倒れ、トシを看病をするために上京していました。
東京から書いた父への手紙に、自身の職業に関して書いており、その手紙によると
当初は宝石を扱う仕事を目指したようです。

具体的なプランとして

「一、飾石宝石原鉱買入およぴ探求 
 二、飾石宝石研磨小器具製造 
 三、ネクタイピン・カフスボタン・髪飾等の製造」等

をあげています。

そして金石舎には毎日のように通い、「見習いになりたい」と頼んだそうです。

金石舎の初代・高木勘兵衛は、岐阜県の火薬販売の家の出身。
トパーズを日本で初めて発見したことから「トパーズ勘兵衛」と呼ばれました。
大正天皇即位の際には、伊勢神宮に三種の神器(鏡・玉・剣)の一つとして水晶を奉納されたそうです。

大正元年店舗昭和4年店舗











 ■金石舎の外観(左から大正元年、昭和4年)

現在の金石舎は立派なビルになっており、ビルの最上階でお店を営まれています。
最上階フロアの玄関には、明治17年、大正元年、昭和62年に建てられた社屋や大正天皇に奉納した水晶の写真が飾られており、
近代的なビルの一室にも関わらず、時代を感じさせるた佇まいです。

金石舎5代目店主の千藤(せんどう)氏にお会いし、東京で有名な繁華街であった戦前の小川町、須田町、淡路町の様子や、
過去に3回起こったという鉱石ブームなど、興味深いお話を伺いました。

さらに、昭和初期に作られたカフスボタン、スタッドを拝見できました。

ひとつは、珪孔雀石のチェーン・タイプのカフスボタン。
黄銅鉱が酸化して赤茶色になった部分が多く、
緑色の孔雀石(マラカイト)や赤いインカローズとは違った趣があり、赤の濃淡が人間の肌の赤い部分を思わせます。
チェーンの先につなげられたバー(ボタンホールに通す部分)の長さは23mm程。
最初に見たとき、「これをシャツ袖につけるのは大変!」と思いました。
しかし、実際につけてみると、チェーンが細いため、思いのほか装着しやすいものでした。

童話『注文の多い料理店』に紳士が置いてきたカフスボタンは、こんな感じのものだったのかもしれません。

もうひとつは、14金にオニキス、真珠を重ねた、チェーンタイプのカフスボタンとスタッドボタンのセット。
当時の華やかな社交界が想像できるデラックスな逸品です。

桂孔雀石オニキス








また、現在も販売をされているというカフスボタンも見せていただきました。
ラピスラズリ、孔雀石、ガーネット、トルコ石、珊瑚、針水晶などで、
どれもしっかりとした台座にはめ込まれ、大きめの石の存在感がよく表現されています。

ガーネットラピスラズリマラカイト







針水晶珊瑚トルコ石








昭和初期のカフスボタンやシトリンなどの宝石、
明治から昭和にかけての金石舎の写真などを拝見し、
賢治のたどった道の断片にふれることができました。

東京で事業が出来なかったからこそ、作家としての賢治があったのかもしれません。
いや、もしも、賢治が希望していた宝石の製造・販売をしていたら・・・
カフショップの近くに宮沢宝石店の看板と賢治印のカフスボタンなどが
販売されるのを見ることが出来たのでしょうか?

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『注文の多い料理店−イーハトーヴ童話集』宮沢賢治

注文の多い料理店 (新潮文庫)
宮沢 賢治
新潮社
1990-05-29



東京から来た二人の若い紳士が、イギリスの兵隊の格好をして山に出かけ、
立派な一軒の西洋造りの家をみつけました。

玄関(げんかん)には、次のような看板がかかっています。

RESTAURANT
西洋料理店
WILDCAT HOUSE
山猫軒


二人が店内に入ってみると、
「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはごしょうちください」
という注意書きが目に入る。

扉を開けて中に入るとまた注意書きが表れる。
「髪をとかして、履き物の泥を落とすこと」

二人が扉を開けて中に進むごとに注意書きが登場する。

その中のひとつは、
「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡(めがね)、財布(さいふ)、その他金物類、
 ことに尖(とが)ったものは、みんなここに置いてください」

そして、
「二人はめがねをはずしたり、カフスボタンをとったり、
みんな金庫のなかに入れて、ぱちんと錠(じょう)をかけました。」


その後どうなったかは、ご存知の通り。
落語の枕のような出だしで始まり。
中盤の山猫軒での様子は非常にテンポよく、好奇心から緊張感へかわり、
恐怖心が盛り上がっていきます。

都会の人間と山の動物の逆転の関係がよく描かれています。
本来、身ぐるみ剥がされるはずの山猫が、都会人の身ぐるみを剥がす。

宮沢賢治の実家は質・古着商を営んでいました。
もしかしたら、父の手伝いをした宮沢賢治にとって
「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡(めがね)、財布(さいふ)、その他金物類」は、
幼少期から馴染みのある品物、様々な種類を知るものだったのかもしれません。

この作品が出版されたのは大正13年。
大正期のモダーンな紳士の装いに興味が膨らむ童話でもあります。

『注文の多い料理店』で、紳士が置いてきたカフスボタンは、どのようなものだったのだろう??
次回のブログでは、カフショップのご近所、神田神保町で、『注文の多い料理店』のカフスボタンを探したお話をお届けします。


★『注文の多い料理店』はインターネットで読むこともできます。
 インターネット図書館・青空文庫

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『松山趣味―人生を愉快にするモノたち 』松山 猛
日本放送出版協会 1999年


松山猛氏は、映画 『パッチギ!』の原作「少年Mのイムジン河」の作者。
「帰ってきたヨッパライ」の作詞家として有名。
時計愛好家ならば、きっとご存知の松山猛氏のエッセーです。

本書では、カフスボタンのほか、画材、カメラ、ネクタイ、シャツ、釣具、カップ、ソーサーなどを取り上げています。
合理化や大量生産によって、物が安くなるのはよいが、それによって物の本質が失なわれるのは、文化にとって不幸な事。
そして、昔の時代を知る者として、本物が持っていた味わいを伝えてみたい、というプロローグから始まります。

カフスボタンの項では、著者の父親のシャツとカフスボタンについて触れられています。
昭和30年ごろまで、フレンチカフス(ダブルカフス)の起源ともいえる、襟と袖口の取り外せるシャツが、シャツの標準であった。
松山氏の父親は、出張が多い日々、荷物を最小限にまとめるため、襟と袖口を取り替えられるそのシャツの愛用者。
父親の愛用品のカフスボタンは、銀に七宝の模様あるもの。
今思えばアールデコ風の八角形のスナップ式のもの。


また、著者自らのカフスボタンのコレクションが、挿絵入りで紹介されています。

とても素敵なコレクションです。
以下、その内容の一部。

 ■父の形見のカフスボタン。スナップどめスタイル。

 ■19世紀のイギリス製。
  元の持ち主のイニシャルが彫ってある楕円を鎖でつないだ金製のもの。

 ■フィンランドの骨董屋でみつけたキリル文字の彫られた銀製カフリンクス。

 ■注文品のハート型のプラチナ製。
  (一番の宝物。プラチナの時計と合せ、質感を楽しむ)

 ■金を編み、そこに棒状のヘマタイトあしらったカフスボタン。
  (もうひとつの宝物。ヴァセロン コンスタンチン本店で見つけたもの)

豪華な宝石入りもよし、素朴なものもよし、最近は女性のブラウスやシャツもカフスボタン仕様が増えてきているので個性あふれるカフスボタンを楽しんでほしい。
加えて最後に「要は、カフスを楽しむ、時間のゆとりそのものが大切なのだから」でしめくくられています。

グラフィック・デザイナーで、『ブルータス』などのスタイリッシュな雑誌の編集者、記者として活躍された松山氏。
海外の食・時計・ファッションなど、生活を楽しみ、豊かにする優れた人、モノ、文化を早くから日本に紹介してきた著者ならではの感性が感じられました。


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厩舎街の殺人』アガサ・クリスティー 1936年 

おなじみの名探偵、ポアロが活躍するミステリーです。

ガイ・フォークス・デーの夜。
街じゅうに花火の音が響くなか、銃弾が放たれた。
翌朝、厩舎街に住む若い未亡人アレン夫人の死体が発見される。
同居人のプレンダーリース嬢が外出先から戻ると、鍵がかかった部屋のなかでアレン夫人が死んでいたのだ。

警察が捜査したところ、頭部に傷を負った死体は拳銃を握っており、自殺のように見える。
しかし、プレンダーリース嬢はアレン夫人が自殺する動機が思い当たらず、遺書も残されていない。
また、部屋には指紋を拭き取った跡があり、鍵も紛失しているなど、不審な点が多い。
自殺に見せかけた他殺の可能性が浮上してきた・・・。

家のなかからは、さらにカフリンクスの片方が発見される。
カフリンクスについて尋ねられたプレンダーリース嬢は、「持ち主はわからない、しかし、男性でしょう」というような答えを返しています。

この時代(1930年代)、カフリンクスが男性のアクセサリーとして定着していたことを教えてくれる一節です。

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南海のトレジャーハント』 パトリック・ウッドロウ 2006年 早川書房


モノには基本的な用途というものがありますが、基本用途以外にも色々な使い方があるようです。

靴下にプレゼントを入れたり、ハンカチをわざと落として殿方の気を引く道具にしたり(←いつの時代の話?)・・・・

カフリンクスはというと、基本的には袖を飾るアクセサリーなのですが、
ジャケットの襟元に着けてバッチ(以前ご紹介しました)として使う、というのもあります。
まあ、紙にパンチで穴を開けてクリップ替わりに使う!こともできますね。

本書に出会って、また新しいカフリンクスの使い道を発見しました。
ひとつは、ペンダントトップに使う。
そしてもうひとつは、メッセージ(秘密の遺産の在り処を示す座標)を刻む、
というものです。

本書の主人公は29歳の水中カメラマン。彼は祖父が残した銀のカフリンクスを袖につけず、鎖にと通しペンダントとして胸に下げています。彼の手元にあるカフリンクスは一対の片方で、もう片方は彼が幼い頃に盗まれてしまったのです。
彼が命を狙われ、それがカフリンクス目当てのものと知ることから、失われた片方を取り戻す手がかりを得ます。危険と謎に満ちた宝探しの旅の始まりとなるのです。

カフリンクスの片方には緯度、もう片方には経度が刻まれ、ふたつ合せて遺産の場所を示します(まあ、それだけでは簡単すぎますので、さらにそこから場所を特定する「暗号」を解かなくてはいけないのですが)。
片方と片方が合さって宝物に出会える。
「出て来いシャザーン!」ではないですが、とってもワクワクします♪
イギリス人の作者は1971年生まれ。日本の出版は2006年出版と新しい本なのですが、不思議と懐かしい感じがします。暗号解読、宝探し、舞台は南の島と海・・・少年の頃夢描いた胸躍る冒険の旅を、大人になって本当に現代で体験するかのようなお話です。

皮肉なユーモアにあふれる主人公の独白が、随所にちりばめられている本書。ハードボイルドの伝統を継いでいるようで、これもまた懐かしさを感じる要因かもしれません。どんな窮地に立たされても、こんな台詞を吐いてみたいもんだ、と思います。

カフショップでも「メッセージ・リンク」として、カフリンクスにメッセージを彫刻をさせていただきます。遺産の在り処のほか、様々なメッセージにご活用ください。

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『男たちへ』塩野七生 1989年 文芸春秋


<フツウの男をフツウでない男にする54章>という、魅力的な副題がついているエッセー集です。
カフリンクスが登場するのは、「イタリア男、イギリス男に圧倒される巻」。

イタリアで行われたイタリア人・イギリス人カップルの結婚式。そこに集まったイタリア、イギリス両国の男性ゲストたちの正装を、日本人女性の著者が冷静に観察・比較しています。

イタリア人男性といえば、世界一のお洒落さん。派手な色彩もなんなくこなす洒落男のイメージがありませんか?

しかし、このエッセーでは、結婚式の正装に限っていえば、イタリア人よりイギリス人のほうがずっと派手!と書かれています。イタリア男がモノトーンの地味な装いなのに対し、イギリス男は、老いも若きも大胆な柄・色彩のネクタイできめている。どちらがお洒落かといえば、イギリス男に軍配が上がるそうです。

この違いはどこからくるのか? 
これはやはり、イギリスが紳士服の本家本元だからではないか、と著者は考察しています。着物を着こなしている日本人が半襟の色や刺繍に凝るように、基本を押さえたうえで遊び心を発揮する余裕があるというのです。

その遊び心はカフリンクスにも発揮されます。
著者がイギリス人男性の大胆なカフリンクスを褒めたところ、そのカフリンクス、実は女性用のイヤリングであったとか。「イタリアでカフリンクスを買おうとしたけど、真っ当なものしかなくてね」だそうです。

イタリア人、そして日本人男性の正装のお洒落。
このエッセーが書かれてから17年たった今、イギリス男と対決したら如何なる結果となりますでしょうか?

▼カフショップのカフリンクスをご覧になって、「イヤリングかと思った!」と、残念そうにされる女性のお客様もいらっしゃいます。
申し訳ございません(^^;)
 ヴィンテージ red





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